籾糠山タイトルロゴ

籾糠山は、2年前3回トライしてやっとピークを取った山です。
1回目はR360を天生峠へアプローチする途中のデブリに怖じ気付き、歩き出して1時間で敗退。
2回目は何とかデブリは突破したものの、
天生峠にたどり着いた時には天気が下り坂で気力も無くなり敗退。
そして3回目にして何とかピークを踏むことが出来たのでした。
今回は天生峠を起点とした新規のコースを検討する為、思い出のピークを目指す事にしました。
AM 8:00 天生集落の最終民家前に駐車してここからスタート。 
R360は冬季閉鎖中で、ここから先へは時々釣り師が入るだけです。最終民家のすぐ奥に立派な除雪車が留めてあり、その後ろから雪の林道が始まります。歩き始めてすぐに山肌から崩れ落ちた大きな雪のブロックがいくつも並んでおり、この冬はいくぶん雪が多かったのでしょうか? 少し期待が膨らみます。
デブリ
AM 9:30
歩き始めて1時間半、あの「嫌なデブリ」地点に着きました。初めて来た時スキーを履いたまま五・六歩進んだのですが、怖くなって引き返し、どうしたものかとデブリを見つめていました。
2回目はアイゼンを付けて突破しましたがとても怖く、「なんて臆病なんだ!」と思ったものです。今年はやはり雪が多かったのかデブリにまだ土砂は混じっておらずきれいなのですが、その角度はとても厳しいものになっていました。こんな時いつも思うのですが、一人でなければこんなに緊張する事はないと思います。凍った堅い雪ではないのですが、滑った時に止める距離がありません。止まらなければ沢床までちょっとした高さです。慎重になればなるほど動きが堅くなり、足の運びやバランスが不自然になっていきます。
おっかないデブリ!
ツララののれん
AM 11:30  天生峠着
何とかデブリ帯を突破して天生峠にたどり着いたのですが、なんと、3時間半もかかってしまいました。日帰りの山であればもうそろそろピークに立っている頃です。峠のそばに立派なツララののれんが下がっており、一本手折ってかじってやりました。ウマイ! 休憩したいところですが林道歩きに時間が掛かりすぎたのでそうもいきません。
峠付近のツララののれん
峠からは南の小山を乗越し、いったん天生湿原に下ります。はっきりしない郡界境界線を辿るのですが、なんとなく籾糠山の取り付き尾根に導かれます。ここからブナ林の尾根を登るのですが、さほどの急登もなく気分のいい尾根です。良い機会があれば天生湿原にキャンプして、ステップソールスキーで歩き回りたいものです。
籾糠山頂上
籾糠山(1744.3m)頂上より西方の猿ヶ馬場山(1875m)
PM 1:30  籾糠山頂上着
360度の展望が迎えてくれました。西方の猿ヶ馬場山の頂上直下にスキーの跡があり、ピークには登山者がいるように見えます。「長鳴き鳥」のようなかすれゝの声で「ホーッ」と呼んでみましたが応答なし。頂上の人影らしき物がユラユラしていますが、やはり見間違えだったのでしょうか?
いよいよシールをはずして滑りにかかります。
頂上東面直下にはまあまあの雪がありました。
もちろんこの時期この標高ですからパウダーではありませんが、締まったところに軽い雪がうっすら積もっていて、滑るには丁度良いものでした。
あっという間に天生湿原に滑り降り、もう一度小山を登り返します。登り返すといってもシールは必要なく何とかそのままでも登れる程度です。
頂上直下のスキー
籾糠山頂上直下をひと滑り
ブナ林
PM 3:00  天生峠着
やっとビールにありつけます。たった一本の缶ビールでも、独りの時は安心できる所までなかなか飲めません。もう一度あの「おっかないデブリ」を通過しなければなりませんが、もう雪はゆるんでおり酒も入っており、もちろん慎重にでありますがスキーのままで通過できました。後は車の所まで、滑らないR360を気力でスケーティングしました。

この時期天生峠周辺でスキーを楽しむにはキャンプが一番のようです。日帰りでは峠までのアプローチに時間が掛かりすぎて、峠に着いた頃には集中力が切れてしまいそうです。(私に限ってです) 一度キャンプ山行をしてゆっくり歩き回りたいような所です。

きれいなブナ林