ブンゲンタイトル

ブンゲン(射能山)は伊吹山の北方、
岐阜・滋賀の県境稜線上にあります。
「射能山」という変わった名前の由来は、「この山を構成している地質から来ている」とか聞いたことがありますが定かではありません。何か「放射能」みたいなものに関係していたと思います。
ともあれ奧美濃の山らしく無雪期は藪がひどく、積雪期にのみ楽しむことができる山です。・・・と、今まで思っていましたがちょっと変わっていました。そしてそれを知らなかったのはどうやら私だけだったのかもしれません。

私の知っているブンゲンの登山ルートは、揖斐高原(岐阜)あるいは奧伊吹スキー場(志賀)から品又峠(1020m)へ上がり県境稜線をたどって行くものでした。一週間前の1/25に友人と揖斐高原から林道を詰めて品又峠まで行きましたが、その時には奧伊吹スキー場の変化には気がつきませんでした。

今日は寝坊をしてしまい失敗です。先週の続きでなんとかブンゲンをやってしまわなければと奧伊吹スキー場に向かいました。やはりスキー場のリフトを利用して品又峠まで上がることができるのは有り難いですから。
リフトを2本乗り継いで品又峠に上がったのはAM10:00です。品又峠から2本リフトが上に延びていますが、10年程前から一度も動いているのを見たことがありません。
貝月山 品又峠からは、閉鎖中のコースを休止中のリフト沿いに登っていきます。風もなく、少し登っただけで大汗をかいてしまいました。第6リフト終点付近から県境稜線に取り付きます。と、そのとき目指す稜線からスキーヤーが降りてくるではありませんか!今日この登りは私がトップです。いったいどこから来たのか?ハードな縦走をしているヤマヤさんのようには見えません。それどころか女の子です???
第6ペアリフト終点付近からの貝月山(1234.3m)
話を聞いて謎が解けました。簡単なことです。スキー場がゲレンデを増設していたのを私が知らなかっただけです。今朝リフト券を買う時にスキー場の案内図を見たのに何てこと!
その子は山をやっているらしく、スキーも山スキーを使っていました。なんでも新設された第10リフト終点からカニさん歩きですぐに稜線に出られるとのこと。なんだかガッカリです。ともかく登ってみました。
北西方向に金糞岳
    (チョットスゴイ名前)
東に貝月山がよく見えます。
目指すブンゲンも小さく頭を見せています。何度か見たことのある景色ですが、なんと私の目と鼻の先にリフト降り場があり、どんどんスキーヤーが上がってきているではありませんか!
さすがにショックです。
金糞岳
金糞岳(1270.7m)
チョットだけ頭を出したブンゲン(最奧)
ブンゲン
気を取り直してブンゲンを目指します。
気まずい思いでリフト降り場の横を通り過ぎ小さなコブを乗り越せば、スキー場の気配はするものの少し落ち着いてきます。
ブンゲンはこれといって滑るところはないクロカンの山です。トコトコ登って、ツルンッと滑っての繰り返しでいつの間にかピークに立てます。     
AM11:30
ブンゲンピーク
平らな頂上から南方向に虎子山と国見岳がよく見えて、そのもっと向こうには伊吹山がドッシリしています。今日は誰か登っているのでしょうか・・・。
独りでぼんやりしてから頂上を後にしました。良さそうな所をチョコチョコ滑りアッと言う間に新設第10ペアリフトTopにたどり着きます。このままスキー場を下っても良いのですが、やはり品又峠へ向かいました。

翌週、友人と新しいリフトを上まで使ってブンゲンに登ったのですが、スキー場パトロールに、「リフトはスキーヤーの為のもので、登山の為に使って欲しくない。」と言われました。
このスキー場の規定に従うのは当然ですが、どうもこのところ各地のスキー場で事故が目立っておりピリピリしているようです。また悪口になっていけませんが、何かあると面倒なので、このスキー場を登山口にしないで欲しいようです。

ブンゲンピーク(後方 金糞岳)
唯一の滑り
パトロールは、広いスキー場で大勢のスキーヤーの安全を確保する為に、早朝からスキー場の営業終了後までその保守に忙しい仕事だと思います。そしてその報酬も極々わずかだと聞いた事があります。しかしながら私は言いたい。スキーの本質は山スキーに、そして登山のなかにあります。(?) 今ゲレンデで滑りに夢中になっているすべての人が、将来すばらしい山スキーヤーになるように、スキーの普及に務めるのがSAJのあるべき姿ではないでしょうか。つまり「もっと山スキーヤーに理解があって良い」と、私は甘えたいのです。
ちょっとぼやきすぎですね。