日照岳タイトルロゴ

日照岳は白川村御母衣ダム湖の西方にあり、白山展望の山として人気があります。登山ルートとしては保谷南側の尾根も利用できますが、山スキーならば今回利用した尾根が良いでしょう。先ほどの尾根は日当たりが良すぎて雪の変質が速く、私もかつてさんざんなめにあっています。今回のルートは、滑降時全体的に北面になり、ブナの木立と、良い雪が期待できます。
AM.9:30 国道156号線御母衣ダム湖脇スタート。
久し振りの白川方面遠征のため道の様子が変わっており、登山口を特定するために周辺を3・4回往復。似たようなところがもう一カ所あり見分けにくいのです。「もう今日は平瀬でお風呂に入って帰ろうか?」などと、一人だとつい消極的になります。気を取り直しスキーを履いて歩き出しました。
小さな沢から入り早めに尾根に取り付きます。前来た時そのまま沢を詰め後半かなり辛い角度の登りになりました。今回少しだけ順調でしたが、やはり後半は急登になりました。

AM.11:10 1250m小台地着。
やっと斜面の角度は緩くなり、後方には御母衣ダム湖がくすんだエメグリーンに輝いています。風が強く白雲がどんどん流れていきますが、お陰でスッキリした青空になりました。頂上まで標高差にして1000mのコースなのでちょうど中間点になります。スタート時間が遅くなった為、休憩もそこそこにまた歩き出しました。

AM.11:50 1534m小ピーク着。
ここで北方からの尾根が合流します。そして頂上方面がチラチラと見え出しもう一頑張りです。

南方吊り尾根
PM.0:50
1700m南方吊り尾根合流点着。
やや細くなった尾根をたどり日照岳の肩に着きました。南方から吊り尾根が合流しており、蛇がうねっている様な雪庇が張り出しています。昔この尾根を登ったことがあり、まだ「山スキー初心者」だった私は怖々この吊り尾根を通過したものでした。今ここから見ると尾根は広く、その時の自分が可笑しいくらいです。遠目に見ていると無木立で良さそうに見えるのですが、たぶん雪質はコテコテで最低でしょう。
1700m地点 南に雪庇が嫌らしくうねる。
頂上方面とねじ曲がったカンバ
頂上方行に一本だけ風雪にねじ曲がったカンバがあります。 さすがにこちら側の斜面はクラストしていますが、青空と真っ白な雪面とのコントラストがきれいで嬉しくなってしまいます。 スタートが遅くなりどうなることかと思いましたが、なんとかピークに立つことができそうです。
カンバと青空
PM.1:00 日照岳頂上着。
文字通りの大展望です。四方を荘川の山々が取り囲み、その向こうに白山が白く大きく立ち上がっています。私は白山が何よりも白く美しいと思います。
どうやら今日のお客さんは私一人のようで、この大スクリーンをアグラをかいて楽しみました。でもやはり一人では寂しく、また一人で眺めているのがもったいなく思えました。風が止み静かになった為か、ブツブツひとりごとを言い出すようになり、もう下山しなくてはなりません。白く輝く白山を背に、ダウンヒルのスタートです。
日照岳頂上
日照岳頂上(最奥に白山本峰)

日照岳上部の滑り
昨日新しい降雪があったようですがさすがにもう春の雪、パウダースノーではなく「ぬか」のような感じでしっとりしていました。少し調子の悪いことに時間が遅くなり、ややパック気味です。軽快な滑りにはなりませんが、自分一人でシュプールを刻めるのはちょと嬉しいことです。
日照岳上部 (ややモナカ)
日照岳下部のブナ・雑木林
1000mより下は木立が立て込み「快適」とは程遠い状況ですが、今日私一人のゲレンデになってくれた日照岳に感謝しつつ滑降を続け、
PM.2:30下山完了。
スキーを楽しむためにはもう少し木立がスッキリとしていると良いのですが、苦労して小さな喜びを得ることが「中級山岳の真髄」でしょうか?

「山」は奥の深い遊びですね。

日照岳下部 (やや立ち込んだブナ)
白山遠望
白山遠望 (白山は何よりも白く美しい!)