ハッチャン達からのお誘いで、GWは双六岳を目指すことになりました。双六岳へ行くのは久し振りです。最後に訪れたのはもう10年以上前のこと。幕営山行になるというので聞いてみると、かつてGWに臨時営業していたわさび平小屋と双六小屋が最近は開いていないことを知りました。北アルプスの奥深いエリアであり、双六小屋が利用可能であれば、行動範囲は飛躍的に広がります。新穂高から日帰りするというスゴイ記録もありますが、私達はわさび平にベースキャンプを置きピストンすることにしました。

5/3 第1日目
AM . 9 : 50 新穂高無料駐車場出発。(1050m)
久し振りのキャンプ、何をどうやっていたのか???
準備にオロオロでした。旧式テントと大シュラフでザックは米俵大に膨らみ、わさび平までの短いアプローチすら大仕事に。まあ、急ぐ必要もなくゆっくり行きました。やはり今年は雪が多い。穴毛谷前の橋を過ぎた辺りからスキー歩行が可能に。デブリもかつて見たことのない大きなものでした。

PM . 0 : 50 わさび平着。(1400m)
一般的な目安として新穂高から1時間30分。今日は3時間掛かけて歩きました。道中下山する2人のスキーヤーと擦れ違っただけで、賑わいをみせたかつての面影はありません。この日のわさび平は私達3人だけ。明日の早立ちに備え早々に床に着きました。

5/4 第2日目
AM . 6 : 00 わさび平出発。(1400m)
やや出遅れましたが、ステップソウルが良く利きます。
AM . 6 : 30 小池新道出合い着。(1430m)
秩父沢のデブリは強烈でした。途中、眼下の蒲田川左俣谷の対岸に下山中の登山者が見えました。
どうやら雪はこの下の谷を埋めているようです。下山時にはこの大デブリを避け、対岸の河原を行くことが出来るかもしれません。

AM . 8 : 20 鏡沢出合い着。(2000m)
いつも急登で苦労した鏡沢ですが、多雪の為かなり緩くなっていました。

AM . 9 : 10 鏡沢上部(2200m)着。
弓折岳登り口にポツンと立つ岳カンバで小休止。第一関門である弓折岳まで後ワンピッチです。
このあたりから、ハッチャン達に付いて行けず遅れ出しました。しばらく会わなかった為か2人共益々強くなったように見えます。この冬は頑張って山に通っていたつもりですが、効果無しか?

槍をバックに弓折への登りーOsu-Batiー
AM . 10 : 15 弓折岳頂上着。(2592m)
2人に遅れることしばし、何とか稜線のピークに登り上げました。今シーズンの最高点になります。
「ほんとお〜に、双六まで行くの?」悲しげな訴えに、
「ここまで予定通り」と、Mesu-Batiは聞こえない素振り。・・・仕方ありません。
幸い双六小屋まで大登りはなくしばらく充電しながら行けます。右手には大きな西鎌尾根が。
双六小屋が見えてきて適当なところから双六谷に降りましたが、私だけすってんころりん。
ほんの少し堅いところがあっただけなのに、双六頂上からなんて無理かも?不安になります。
AM . 11 : 30 双六小屋着。(2550m)
かつて春スキーで賑わった小屋もまだ雪の中、人の気配は全くありません。
ひと息入れ双六頂上を目指し、
県境稜線の緩くなった北側を回り込むように登って行きます。
黒部源流の山々が大きい。
PM . 1 : 10 双六岳頂上着。(2860.3m) 今期到達最高点更新!
ついに登りきりました。笠ヶ岳が美しい!
岩にへたり込む私。
引き替えハッチャン達は余裕です。OSU-BATIは大怪我のリハビリ中だというのに・・・。
そして今回の目的、この頂にいる先輩に会いに来ました。
突然の病に倒れ先立たねばならぬ無念さ辛さを思うと胸が痛くなります。
大声で何度も彼の名を呼び、大好きだったビールをお供えしました。
先の東北関東大震災のこともあり、つくゞ生かされている幸運を思います。

PM . 1 : 40 双六三段カールダウンヒル開始。
クラストを心配していましたが、なんとか誤魔化して滑ることが出来ました。
素晴らしい斜面です。

双六南方直下を行くー
PM . 2 : 10 双六谷(2450m)地点着。
普通は三段カールから大ノマ乗越し登り口(2200m)まで双六谷を滑って行くのですが、
私のへたり加減を心配してか大ノマ乗越しの大登りを避け、
弓折岳から双六小屋に向かう時滑り降りたラインを登り返すことにしました。
実際双六谷のスキートレースは2本しかなく、しっかりしたステップは期待できません。
稜線までのわずかな登りですが体はいうことをきかず、2人は見るゝ高みへ。

PM . 3 : 40 弓折岳頂上帰着。(2592m)
何とかたどり着きました。いよいよ最後の滑降です。
本来ならば名残惜しく気合いが入るところですが、・・・疲労困ぱい。
そろそろ良い時間、下手をしてナイターになっては悲惨です。
この斜面を前にして楽しめないのは残念ですが、ゆっくり行かせてもらいました。
少しでもターンできたのは最初だけ、後はやっぱり斜滑降&キックターン。
雪はドンドン腐っていきます。消耗軽減のショートターンなど出来る訳ありません。
ひたすら地道に高度を下げました。黙って私を待っていてくれた2人には感謝です。

PM . 5 : 10 小池新道登山口帰着。(1430m)
デブリ末端を上手く巻くことが出来ました。
ここまで来ればもう安心。ただ、ハッチャン達だけならば2時間早かったろうと思います。

PM . 5 : 40 わさび平キャンプ帰着。(1400m)
消耗し過ぎてビールが飲めません! 残念! これだけ意欲的な山行は久し振りでした。
知らない人は、山岳部の新人が先輩にしごかれているように見えたことでしょう。

5/5 第3日目
AM . 8 : 30 わさび平出発。(1400m)
キャンプサイトに朝日が射し込むのを待ってテント撤収。
気温の低い日が続いたせいか林道の雪は入山時とあまり変わっておらず、
スピーディーな下山となりました。

AM . 9 : 30 新穂高無料駐車場帰着。(1050m)
多分滑り納めになります。
10年振りの双六岳、ほんとうに来てよかった。