十石山

十石山のスキー記録は信州側白骨温泉からのものが多く、飛騨側安房平からのものをほとんど見ません。
二年前に一度トライしたのですが、その時はあえなく敗退。
今回はその経験を基に、季節はずれの大雪も落ち着いた安房平から十石山を目指しました。
AM.9:30 安房峠道路平湯側ゲート前出発。
遅いスタート時間ですが何度かここを登っており、さほど慌てることもなくやや急な斜面をひと登りします。ひと汗かく頃、今はまだ雪の下の安房峠道路に這い上がりました。二週間前必死になって勝ち取ったワサビ谷源流上部が屏風のように立ち上がっています。 今回Osu-Batiは革靴にステップソールというお洒落な出で立ちで登場。今日もまたブッチ切りで飛ばしていきます。
AM.10:40 安房平着。
ここからワサビ谷を詰めていきます。 二週間前、下りもラッセルするという地獄の春雪もすっかり落ち着いて今日は順調です。

AM.11:45
十石山から安房平へ北西方向に下りている尾根の先端を回り込み、二年前滑り降りた辺りから斜面に取り付きました。二年前同様、どこから取り付いてもあまり登りやすい所はないようです。
細尾根に上がっても段差があったり雪が悪かったりで手こずります。我慢してしばらく行くと次第に尾根は広くなり視界も良くなってきました。

左奥ー笠ヶ岳
PM.1:20 2188m標高点付近着。
スッキリしない登りが続き気力が萎えてきそうでしたが、北面に笠ヶ岳や穂高の山々を眺められる様になり元気が出てきました。二年前はガスの中で何も分かりませんでしたが、この尾根は素晴らしい展望を持っていました。高度を上げるにつれ増々景色は良くなり、登り易くなってきました。
2188m付近。北面が大きく開ける! Osu-Bati standing
ガレ上の稜線。
2350m付近の稜線北側に大きなガレが口を開けています。そのスリバチの中に飛び込んでいきたくなりますが、視界の先はどうなっているのかは不明。地図ではどんゝ厳しくなって、ついには等高線が読み取れないほど険しい沢になっているようです。
2350m付近。小さな雪庇の下に綺麗なスリバチが・・・?
左ー十石山ピーク
2400m付近。十石山ピークから乗鞍へ続く稜線ときれいなゲレンデ
頂上まで後ひと息。
ピークまで後わずかというところで稜線に這い上がりました。十石・金山周辺はいつも風が強いところで、やはり今日も強風にたたかれました。しかし、さすがに今日は春の風です。さほど寒さを感じません。来し方を振り返ると、いつも大きな笠ヶ岳や、白煙を立ちのぼらせる焼岳が自分の目線と同じ高さにあり、久し振りの高度感に気持ちが解放されます。先の見えた登りを坦々と続け、ついに十石山の緩やかな頂点を足下にしました。今まで十石山ピークの陰になっていた乗鞍本峰がすぐそこに見えます。険ヶ峰の上を風にたなびく白雲が流れています。 この好天の下、乗鞍のピークを何人のスキーヤーが踏んだのでしょう?
中央ー焼岳・左後方ー笠ヶ岳
左ー白雲たなびく乗鞍本峰
白雲たなびく乗鞍本峰
PM.2:45 十石山ピーク着。
5時間に及ぶ登りは、私達に素晴らしい展望を与えてくれました。となりの乗鞍険ヶ峰の様な突き上げる頂ではありませんが、その開放感はひけをとりません。今日は白骨側から先客があったようで、スキーのトレースが残っていました。彼も(?)また、このパノラマを目に焼き付けていったことでしょう。

景色に見とれてうっかりしていましたが、十石山のピークはこの小屋の向こう側のコブでした。(このWeb Page作成中に気が付きました。今まで二度極めているのでヨシ!とします。)

十石小屋
十石小屋

頂上付近の稜線
PM.3:20 ダウンヒルスタート
風を避け小屋の裏手で休息の後、安房平に向かってダウンヒルスタートです。しばらく頂上付近の緩やかな稜線を滑り2450m付近から飛騨側に滑り込みます。笠ヶ岳を正面に見るこの斜面は、今回唯一の快適なゲレンデになりました。
やがて雪が重くなり滑り辛くなって来たため、早めに尾根から離れ沢を滑ることにしました。
Osu-Bati
緩やかな頂上付近の稜線
skier. Osu-Bati
Marukoshi
skier. Marukoshi
Mesu-Bati
skier. Mesu-Bati
しかし逃げ込んだ沢は尾根よりも雪の状態が悪く、角度も急でターンするどころではありません。
おまけに下部がロート状に細くなっており、金山岩・ワサビ谷の時を思い出されます。
悪場
雪質最悪の急な沢 skier. Mesu-Bati
何とか悪沢をやり過ごし、PM.4:45安房平に帰ってきました。 二週間前あんなに苦しめられたワサビ沢も今日は快適です。 のんびり休息し、PM.5:30安房峠道路飛騨側ゲート前着。
十石山の登山コースは信州側白骨温泉からのものが一般的です。しかし頂上付近まで展望が無くほとんどが樹林帯。もちろん雪質は少し良いのかもしれませんが、あまり滑り易いコースではありません。安房平からのこのコースは、滑りはいまひとつですが、それを差し引いても余りある大展望が期待でき好コースではないかと思います。
skier. Mesu-Bati
やまであいましょう。ートップ telemark-top